超美女がいるのはどういう場所?

秋が深くなってきた。もの思う頃。そう、恋の季節である。

私は考える。この歳になっても考える。もし私が妖艶な魅力を持って生まれ、それを維持していたら、どんな人生だっただろうか。男の人にもっと積極的になり、恋だって十倍ぐらいしていたはずだわ。ああ、平凡な日常をおくる私は本当につらい、とつい悲観するのはやはり秋の空気は澄みきり、雨風や葉の音、虫の声がはっきりと聞こえるからだろうか。


このあいだ女友だちと「私のなりたかった職業」というテーマを熱心に討議した。女性なら誰でもものすごい変身願望を持っている。美しい筋肉を持ったアスリートになりたい、女優さん、芸術家になりたいと見果てぬ夢を言う。


そして意外なことにみんな大乗り気だったのが、銀座の女性になりたいというものであった。新宿とか六本木ではない。そお、選ばれた女性、銀座のクラブホステスになることだ。どうやらみんな私と同じように食指が動くらしい。

友だちは言う「昔、勤めていたころに、高級クラブに何度か行ったけど、この世のものとは思えないくらいすごい綺麗な人がいっぱいいたのが忘れられないわ」


「身のほど知らず」の大家である私はまた夢想する。ロココ調のお店の中、美人服を纏う私はホステス。男の人の熱い視線を浴びながらお店を歩き、お客さまにグラスを片手にささやき、心をくばる私はホステス。女性に生まれてきて、これ以上の心浮きたつことがあろうか。

私は一流のホステスさんや芸者さんという‟女性のプロフェッショナル”を本当に尊敬し、かつ憧れているのだ。私がもっと若く、かつ色っぽく生まれついていたら、絶対銀座へ行き、そういう修業をさせてもらっていたような気がする。


私も時々銀座のクラブにご相伴にあずかるが、そこの女性たちの美しいこと、洗練されたことといったらない。特に銀座で一、二を争う格式と人気を誇る高級クラブは、すぐに芸能界にデビューできそうなレベルの女性ばかりである。ここのホステスさん、スミレさんとは大の仲良しだ。彼女はもう顔がふつうの人とは全然別ものという感じである。色が透けるように白くて小さい。そしてキラキラ光っているのだ。

お店にはえらい人と一緒でなければとても行けないところであるが、外で遊ぶことが多い。が、偉ぶることもなく、気配りがすごいのはさすが‟銀座の女性”SUMIRE様である。


夜の銀座八丁目に行ったことのある人は誰でも思うことであろうが、ホステスさんというのはやはり凄い。眼力およびに嗅覚がふつうの女性とまるで違う。どれほど楽しく語り合っているときも、彼女はふとその心をよみ取ってしまうのだ。弾けるように笑いながら、鼻は男性の放つものを確認したりしているのである。しかもねっとした視線や深く大きな頷き方、美しい指の動かし方は巧みで、一瞬にして男性たちがまいってしまったという。


SUMIRE様は一流の水商売の女性であるから、着物もあっさりと品のいいものだ。そして前髪にひさしをつけて、後ろでアップにしている。ふつうなら年増の髪型であるが、それが彼女の若さを引き出していることに私は感動した。地味な髪型ゆえに、肌の美しさや目のパッチリ度がひきたつ。ぴっちり撫でつけてるから、髪のツヤもよくわかる。そうか、わざと老けた髪にするから若く見えるんだ。長く培われた水商売の知恵であろう。


プロというものは、はっきりとわかる特徴をもっているのである。粋筋の女性の襟足というのは完璧だ。つるっとした肌が背中まで続いている。ちゃんとお手入れが行き届いているのだ。耳も綺麗、生えぎわも綺麗。つまり男性の視線の届くところは、すべて計算され、美しく整えられているのだ。


世の中には二通りの女性がいるとつくづく思う。一生色ごとがついてまわる女性と、早い時期にそういうものから見放される女性である。華奢な体から艶っぽいオーラがばんばん出ているSUMIRE様は、もちろん前者である。恋という果実がいくらでもたわわに実り、そのひとつひとつを味わう楽しみがうんとあるに違いない。


私はいままで、プレゼントがどっさり山積みにされた美女の自宅を何度見たことであろうか。こういう美女の特性は、たくさんのプレゼントをもらっても、平然といられること。これも男性の心を惑わす女性の大切な条件であろう。間違っても私のように、いただきものは全部有難がって使用し、肌がかぶれることはないはずだ。たとえプレゼントでも、気に入らないものは我関せずと放置する。このくらいの美意識と余裕がなければ、どうしてモテる女性になれよう。私はこういうとき、どさくさにまぎれて美女がもらった高級プレゼントの包装を開封したりしている。それにしても美人って楽しそう。 


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