美容の実力 皮膚にヒアルロン酸をつくる
ヒアルロン酸とは高分子の物質で、皮膚、筋肉、軟骨などに広く存在している。細胞と細胞の間の水分保持や、皮膚の柔軟性を保つ働きがある。この水分保持能が皮膚のみずみずしさに寄与している。ヒアルロン酸1gで6Lの水分を抱えこむことができるといわれている。
【真皮に存在する成分】
ヒアルロン酸とともに語られることが多いコラーゲンやエラスチン、プロテオグリカンは、ヒアルロン酸と同じく皮膚の真皮に存在し、ヒアルロン酸と直接的・間接的に相互作用している。一般的にプロテオグリカンはヒアルロン酸と同じく水分を保持することが特長である。
真皮をベッドの構造に例えると、コラーゲンはマット、エラスチンはスプリングのような役割をもっていていて、皮膚にヒアルロン酸が十分に存在しヒアルロン酸にしっかり水分が保持されていると、コラーゲンが持ち上げられて皮膚は柔軟性を獲得している。
エラスチンはコラーゲンと結合して弾力性を安定させており、ヒアルロン酸も含めこれらのどの成分が欠けたとしても、皮膚の脆弱をきたす。
皮膚のヒアルロン酸の産生が十分にされており、水分を保持されているとバリア機能は正常に働き、皮膚はつややかでたるみやシワは認められない。
一般的には、ヒアルロン酸は赤ちゃんの頃がピークで、30~40代を境に減少していくといわれている。ある論文によると、70代では20代の50%近くまでヒアルロン酸が減少するという報告もある。加齢とともにみずみずしさが低下するのは水分を豊富に含むヒアルロン酸の減少にも影響する。また、紫外線によるダメージや乾燥が原因となることもある。
コラーゲンは代謝に長い時間がかかるが、ヒアルロン酸は代謝が非常に早く、皮膚中では1日に約半分のヒアルロン酸が分解される。
ほとんどのヒアルロン酸は分子量が大きいため、口から摂取したとしても吸収されにくく、体内で分解されるため、皮膚に届かないと考えられている。塗ることで一時的な効果は期待できるが、皮膚の中にすべて吸収されるわけではない。
【皮膚細胞にヒアルロン酸をつくらせる】
より高い保湿効果を期待するには皮膚細胞にヒアルロン酸をつくらせることが重要である。
細胞試験の結果、「ラクトバチルス・ガセリ N320株」という乳酸菌にヒアルロン酸を多く産生させる能力をもっていることが認められている。さらに皮膚の紫外線に対する抵抗力が向上し、くすみやべたつきなども抑制する働きがある。
「ラクトバチルス・ガセリ」は人の腸内乳酸菌の中の最優勢種の一種であり、ヨーグルトやサプリメントなどの食品に多く使われている。
化粧品の成分としては「ユズ種子エキス」に表皮のヒアルロン酸の産生を促進する効果がある。それだけでなく基底膜に存在するコラーゲンの産生を促し損傷した基底膜の修復をする働きがあるので、表皮と真皮のコミュニケーションを良好にすることがわかっている。老化に対する抵抗性が低いと自覚する人の方がより実感値は高くなる。
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