美肌の科学

【見た目年齢の男女の差】

同年代の男女の皮膚を比較すると、男性の皮膚は女性に比較して厚く、血流が多く、皮下脂肪が少ないこと等が報告されている。しかし、顔の形状の男女差に関してはよくわかっていない。ここでは見た目の加齢変化が男女でどのように違うのかをみていく。

男性で著しい顔の形状の加齢変化の一つは額のシワである。

額のシワは20代の女性ではほぼ認められないが、男性ではすでに認められる。シワの進行過程は男女同様である。そのため、シワ評価基準で男女差を比較評価可能である。若年代(20代)に加えて中年代(40代)でも、女性に比較して男性のシワは顕著であり、男性の方がシワの進行が早いことがわかる。60代では評価数値上は差はないが、これは評価基準の上限に達するためであり、男性でより顕著なシワが多く認められる。

男性では目の下のたるみも顕著である。たるみの進行過程は、男女同様である。40代以降では男性の方が同年代の女性よりたるみが著しく進行する。このように中年代以後、男性の方が女性より下眼部のたるみが早く進行する。一方、頬部のたるみは男女間で顕著な差は認められない。


【下眼部のたるみの男女差】

加齢に伴う男女の顔の形状変化には、部位により大きな違いがある。この違いはなぜ生まれるのだろうか。ここでは下眼部のたるみを例に、男女差の原因をみていく。体表面の形状の維持には皮膚が大きく寄与している。

体の最外層にある皮膚が内部構造を有るべき場所に物理的に押さえ込むことで、外観を保っている。下眼部では加齢に伴い眼球周囲の構造が変化し、眼球の下部の脂肪組織が体表面側に押し出される。

加齢により皮膚の状態が悪化すると、この突出への抵抗が弱まり、下眼部が突出してたるんだ形状となる。下眼部のたるみが男性で顕著な理由には骨格の男女差が関係する。

男性は女性に比較して眼窩部が大きく、皮膚が(脂肪の突出を防ぐように)押さえ込むべき領域も男性の方が大きくなる。そのため皮膚の状態が悪化すると、男性ではより顕著にたるみが起きる。このような男女の骨格の差が、顔の形状の加齢変化に関して、男女の違いを生む一因となっている。




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