美肌の科学 マスク肌荒れ

長時間のマスク着用による肌荒れに悩まされている人も増加中である。つけていると肌を守ってくれそうなイメージがあるマスクであるが、実は肌荒れの原因になることもある。マスクが皮膚に与える影響と肌荒れを引き起こすメカニズムを解説する。

【温度変化による肌荒れ】

マスクをつけると皮膚温が高くなる。皮膚の表面温度は普通30℃ほどであるが、マスクで覆われている皮膚は34℃まで上昇する。皮膚温が上がると、どんな肌質の人でも皮脂分泌が促されて皮脂量が2倍になることが研究で明らかになっている。

過剰な皮脂は、皮脂をエサとするアクネ菌の活性化を促し、局所的な炎症を起こすことでニキビの元となるコメドの形成、さらには赤ニキビ(炎症ニキビ)につながる。


ベタつきが気になる場合は薬用白粉、皮脂吸着系の下地をプラスことで高いスキンケア効果で皮膚を守りながら、ニキビ予防効果も得られる。



【湿度変化による肌荒れ】

誰もがマスクをしているときには、自分の呼気や汗で皮膚は十分に水を吸った状態であり、一時的にはしなやかで柔らかく滑らかである。

しかしマスクを取った直後は、皮膚表面の水分は空気中へ一気に蒸散して、そのときに正常なバリア機能の形成と保湿機能を主る角質層の中の細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)も一緒に流出してしまう。すなわち、マスクの着脱でバリア機能と保湿力は乱される。


健康人では適度の保湿があるが、乾燥肌ではその病的な保湿力の低下の程度に従って、カブレや湿疹が起こると考えられる。

当然それが起こる前にこそスキンケアを行うべきである。かゆい乾皮症には、密封性の軟膏剤は速やかな止痒作用を発揮する。



【摩擦刺激による肌荒れ】

マスクを付けたり外したりすることで肌に摩擦が起き、刺激によって角質が剥がれやすくなる。角質が剥がれ落ちることが原因で、肌本来のバリア機能と保湿力が大きく低下し、外からの悪影響を受けやすい状態になってしまう。


マスクの摩擦は肝斑を悪化させる一因であることがわかっている。

日々マスクが皮膚を擦ることにより、摩擦熱が起こる。バリア機能が低下した皮膚に摩擦刺激を与えることで炎症が起こり、肝斑が悪化することが確認されている。

炎症が起きた皮膚には、肌荒れ防止、美白効果を持ち医薬部外品※の成分として承認されたトラネキサム酸が有効である。


※医薬部外品・・・法律では、化粧品は製品全体で保湿などの効果が期待されるものであり、特定の成分が何かの効能を発揮するものではないとされている。一方で医薬部外品は、肌荒れ、殺菌など「特定の硬化を発揮する成分」が配合されているという点が化粧品とは大きく異なる。



【マスク汚染による肌荒れ】

マスクは咳やくしゃみなどの飛沫からウイルスが拡散することをを防いだり、手に付着したウイルスが手を介して口や鼻に直接触れることを防いだりするために有効である。


使い捨てマスクは、ウイルスをキャッチする機能が低下するため、再利用はすすめられていない。布マスクを着用した場合は、マスクに付着したウイルスを除去するため、しっかり洗浄する必要がある。洗浄力が弱いとマスクに残った皮脂が原因で肌荒れが起こる。また、すすぎがしっかりされていないと界面活性剤が皮膚に付着して刺激に繋がる。




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