美肌の科学 むくみ
ヒトの体は体重の約60%が体液でできている。細胞内液は約40%、細胞外液は約20%といわれており、むくみは細胞外液の水分量(間質液)が過剰に増えてしまうことであり、浮腫という。余分な水分が滞りむくみがあると血管を圧迫して血液が皮膚に行きとどかなくなるため、皮膚は乾性に傾く。
【体の水分代謝バランス】
「水」の出入りのバランスが崩れることが一因でむくみは起こるといわれている。
内臓が正常に働いていて代謝がよく、汗や尿などで十分に体内の水分を排泄できていればむくむことはない。しかし、排泄した水分量以上に水分をとり過ぎてしまうと過剰な水分が内臓の働きを妨げてむくみを形成する。
〈体外に出る水分量>
肺から400cc、皮膚(汗)から600cc、尿1000cc、便100cc (計2100~2600cc)
〈体内に入る水分量〉
飲む水分1000~1500cc、食べもの中の水分800cc、体内でつくられる水300cc (計2100~2600cc)
【むくみのタイプ】
むくみは体内に水分が溜まり皮膚が腫れぼったくなる状態だけではない。その所在部位によって複雑かつ幅広い症状をもたらすことが知られている。
頭に水分が溜まればめまい、鼻に溜まれば鼻水、肺に溜まれば痰、胃に溜まれば吐き気、皮膚に溜まれば湿疹、血管に溜まれば高血圧、四肢に溜まればしびれなどの症状があらわれて疾患を引き起こす要因となる。
欧米は大陸で乾燥した環境であるのに対して、海に囲まれていた島国で梅雨がある日本は、湿度が高く体がむくみやすい環境である。特に日本人の女性に多い、色白で筋肉量が少なく下半身太りの体質の人は、体に「水」が多く、停滞しやすいといわれている。
日本人に多いむくみのタイプは以下の3つになる。
①胃腸が弱っているタイプ
♦主な原因・・・飲食の不摂生、なまもののとり過ぎ、冷たいもののとり過ぎ、睡眠不足
♦主な症状・・・腹部冷痛、ぽっこり下腹、軟便・下痢、顔がむくむ、疲れやすい
②腎臓が弱っているタイプ
♦主な原因・・・水分のとり過ぎ、塩分のとり過ぎ、加工食品のとり過ぎ、薬のとり過ぎ、夜間に目や神経の使い過ぎ
♦主な症状・・・皮膚が暗黒色、下半身がむくむ、足腰のだるさ、足腰の冷え、頻尿
③血行不良タイプ
♦主な原因・・・ストレス、運動不足、刺激物のとり過ぎ(油っぽいもの、甘いもの、味の濃いもの、酒)、タバコ
♦主な症状・・・イライラしやすい、落ち込みやすい、シミ・あざができやすい、冷え性、肩こり、月経痛
【正しい水分のとり方】
●水分は一度に多量に飲まず少量ずつ飲む。
●少量を噛むように唾液を混ぜながら口の中で転がして飲む。
●できるだけ温かいものを飲む。
●食事中の水分を控える。
●のどが渇いていないときは飲まない。
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