美容の実力 知っておきたい爪の知識
【爪の役割】
人の爪は単なる飾りであって、例えば色をつけて美しくみせようとしているように、おしゃれのために残されているものかというとそれだけとも限らない。
指先に爪があるために、私たちは指先に力を入れることができる。爪が弱い人はランニングをさせると他の人より遅い。球技では球のおさえがきかないためスピードがのらないし、カーズの切れもうまくいかない。日常生活においても、指先の細かい仕事ができないので器用な人とはいえない。
それに爪は、指先皮膚を外傷から守ってくれる役目をしている。深爪をするとそこが傷つきやすいのはこのためである。
【爪の構造】
爪は爪甲、爪母、爪郭、爪床からなる角化性の上皮組織であり、爪甲の根元には乳白色の爪半月がみられるが、この部位での角化が不十分であることによる。爪は表皮と毛の両方の性状をあわせ持つ組織であると考えれている。
爪は同じ硬さにみえるが、部分によっては丈夫なところともろい部分とがある。根元の乳白色のところは強いが、指先から離れているところはもろい。
爪は毛と同じように死んだものが体の一部にくっついているにすぎない。伸びて成長しているといっても、先に向かって根元から押し出されているにすぎない。爪を切っても、痛みを感じないだけでなく、その形のままいつまでも残っていることも毛と同じである。このように爪が死んでいるものと考えることが大切であるのは、自分で自分を丈夫にする力がなくて、手入れが悪いと荒れたままでいることである。つまり、爪を美しく保つことができるかどうかは、その人の手入れの良し悪しで決まるのである。
【爪の手入れ】
爪が成長する速度は1日平均0.1mmとされている。そのため1ヵ月に3mmぐらい伸びることになる。1週間の期間をおいて爪先を切るとよい。表面は平たいものではなく、前後左右に軽く弯曲している。このことから爪先中心部から、左右の順で切ると爪の変形(巻き爪)を防ぐことができる。
爪は硬くて水分が少ないようにみえるが、7~12%の水分を含んでいる。それに反して脂肪量は0.15~0.75%と案外少ない。そのため爪の水分をとるようなものが働くと爪はもろくなってくる。そして爪の表面が荒れてくる。爪の保護には、表面とともに爪先のうら側にも油性クリームをよく塗ることが必要である。
爪を丈夫にするものは爪の栄養である。しかしこれは爪のできをよくするもので、できあがった爪を丈夫にすることはできない。爪が弱いので栄養に気をつけたとすると、そのときからできてくる爪が丈夫になるのであって、それが伸びて全体体の爪がかわったときにはじめて全体に丈夫な爪ができ上ってくるのである。できた爪を丈夫に保つのは前述の油性クリーム以外にない。
爪はケラチンからできているので、動物性タンパク質は爪を強くするのに役立つ。その他ビタミンとしては、A、B、Dを食事で十分とるようにつとめる。
【爪にあらわれる体の異常】
健康な爪はサクラ貝のような色をしていて、光にあてるとある程度の輝きをもっている。爪の両面は前後左右にゆるやかな弯曲をもったものでなめらかである。ところが爪にはいろいろな色の変化や変形がみられることがある。
①スプーン爪 爪の中央部分が凹んでスプーンのようになっている状態
反映している病気・・・鉄欠乏性貧血
②テリー爪 爪の大部分が白く曇ったようになり、先端だけがピンク色になっている状態
反映している病気・・・肝硬変、心不全、糖尿病、腎不全
③丸い爪 いわゆるばち指のこと。指の先端の部分が太鼓を叩くばちのように丸くなっている状態
反映している病気・・・肺がん
④爪に黒っぽい縦の線が入る
反映している病気・・・悪性黒色腫(皮膚がん)
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