美容の実力 若さということ【炎症老化】
【急性炎症】
炎症は異物や死んでしまった自分の細胞を排除して生体の恒常性を維持しようとする反応と考えられている。例えば細菌やウイルス(一種の異物)が体の中に侵入しようとした時に、さまざまな細胞などの生体内成分がその排除に働いた結果が炎症性反応である。
それらの反応の中には、予め体の中に用意されている直ちに働く成分による反応と、やや時間をかけて一旦その異物の構成成分を解析してから強力に攻撃する時に後からつくられる成分による反応がある。
前者の反応が開始するのに重要な成分として、人には存在しない細菌やウイルスの構成成分を認識するセンサーがあらかじめ体の中に存在する。後者のやや時間をかけて起こる反応は、いわゆる免疫反応(獲得免疫反応)である。この反応で異物を排除する成分としては、抗体(特に抗原特異性が高い効率的に攻撃できるタイプの抗体)などが良く知られている。なお、この獲得免疫反応はしばしば炎症と分けて説明されることが多いが、病気と関係する獲得免疫反応は、炎症反応の一種と考えると理解しやすい。
急性炎症の徴候は発赤(赤くなる)、腫脹(腫れあがる)、発熱(局所の熱感)、疼痛(圧迫されたような痛み)がある。これらの結果、その箇所の機能が悪くなるがこれらは生体防御のために必要な反応で、治癒が完了すれば活動は停止する。
【老化の原因である慢性炎症】
炎症は目にみえて意識できるところばかりで起こるとは限らない。なかなか終息しない微小な炎症状態を「慢性炎症」と呼んでいる。最初のうちは症状として現れない慢性的な炎症性の変化は、患部組織の障害や構造変化(変形)を伴い万病のもとになる。動脈硬化、糖尿病、歯周病、不妊症、アルツハイマー症、うつ病などの疾患は慢性化した炎症が関わっている。
さらに慢性炎症によって増加する炎症誘引物質(炎症性サイトカイン)が炎症増悪物質の発現を促し負のスパイラルを形成する。
最近の研究では、老化そのものも慢性的な炎症性の変化によって症状が進行すると考えられる証拠がみつかった。
【皮膚の炎症老化】
私たちの中には、加齢と紫外線の影響を受けてもシミができない人が存在する。その秘密を解く鍵が「慢性炎症」にある。
シミの奥に潜む血管は近傍の正常部位に比べ、不規則な配向をしており、血管の分岐が非常に多い。これらの周辺は慢性的に微小な炎症が生じている。つまり、慢性炎症は異常な血管構造をつくりシミ形成に大きな影響を及ぼしていると考えられる。
慢性の微小な炎症が起こった血管では、メラニン生成を促進する因子が放出されておりシミのもととなる黒褐色のメラニン生成量が増大する。さらに皮膚に必要な栄養を届けられないため、ターンオーバーが正常に行われないなどのインフラマエイジング(炎症老化)を発生させる。
【慢性炎症を発現させる生活習慣】
体に悪いと医学的研究で明確に証明されている食べ物はそれほど多くはない。身体に悪い食べ物は摂取量をゼロにしないと生活習慣病や癌になるということはなく、こういった食べ物は摂取量を増やすと炎症を止める機能に障害をもたらし慢性炎症が終息できなくなるため、病気やインフラマエイジング(炎症老化)のリスクがあるということである。
慢性炎症を引き起こす原因は以下のようなものがある。
●加工食品(ベーコン、ソーセージ、缶詰、カップスープなど)
●飽和脂肪酸(動物性脂肪、乳製品など)
●トランス脂肪酸(マーガリン、パン、ケーキなど)
●果糖ぶどう糖液糖(清涼飲料水、野菜ジュース、冷菓など)
●お酒
●肥満
●タバコ
●イライラや怒りっぽい
●便秘
お仕事・取材のご依頼はこちらまで ↓ ↓ ↓
0コメント