美容の実力 紫外線 【光老化】

【紫外線】

紫外線は骨の代謝に大きく関わるビタミンDの生成、アトピーや乾癬など過剰になってしまった免疫を抑制する働き(紫外線療法)などの有益な作用をもっている。

その反面、過度に浴びると色素沈着を生じ細胞を傷つけ老化を促し、最悪の場合には皮膚がんの原因になるなど有害な作用を併せもっている。

日本において一年でいちばん強いのは6月の晴れた日で、時間滞では午前10時~午後2時といわれている。



【UVA UVB UVC】

紫外線はその波長によって次のように大別される。

UVA  320~400nm

UVB  290~320nm

UVC  200~290nm


紫外線の中でも最も波長の長いUVAは皮膚の真皮まで達する。そのため真皮にあるコラーゲンやエラスチンにダメージを与えて、それがシワやたるみへとつながる可能性がある。UVAはガラス越しに知らず知らず受けている紫外線のため、生活紫外線と呼ばれている。


UVBはUVAに比べると皮膚に対する刺激は強く、約1000倍といわれている。夏に海に行ったり、冬にスノーボードへ行ったりしたときに浴びやすい紫外線なので、レジャー紫外線と呼ばれている。急激な作用で表皮にある色素細胞(メラノサイト)がシミのもととなるメラニン色素をつくるだけでなく、それに先立って皮膚が紅くはれて、ほてってピリピリしてくる。ビタミンDの前駆体物質をビタミンDに変えるのもUVBの働きである。


人間に最も害を与えるといわれるUVCはオゾン層に遮られ通常は地表へ届かない。ただし近年フロンガスなどによりオゾン層が破壊されオゾンホールの拡大が問題になっている。



【日焼けから肌を守る】

日焼け止めのサンスクリーン剤に表記されているSPFは紫外線B波を、PAは紫外線A波を防御する効果を示す指標となる。サンスクリーン剤は、親指を外側にそったときの手の甲のくぼみ(解剖学的嗅ぎタバコ窩)に出すことが重要である。手のひらはシワがたくさんあり溝や指の間にどんどんサンスクリーン剤が入ってしまうため、40%ぐらいは手のひらに残ってしまうことになる。塗る量は1平方センチメートルあたり2ミリといわれており、顔全体で500円玉ぐらいの量になる。


光老化を防止するには全身の紫外線対策をとることが大切になる。

例えば、目に強い紫外線が入ると目から「紫外線を浴びた」という情報が脳へ送られ、全身のメラニン産生細胞が刺激される。これにより紫外線が当たっていない皮膚でもメラニン色素が生成されて、シミやそばかすができることが知られている。

スキンケアでは化粧品に配合されているビタミンAの中の「パルミチン酸レチノール」という成分を塗布することで、皮膚の内部でSPF20の値と同じぐらいの光防御力がある。パソコンやスマホから発せられるブルーライトカット効果が期待できる。





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