美容の実力 化粧品のさまざまな違い
【化粧品と医薬部外品の違い】
まず医薬品と化粧品には明確な違いがあることを知っておく必要がある。
医薬品は病気の治療を目的とするもので、その多くは病院や薬剤師のいる薬局でしか売ることができない。それに対して化粧品はその定義として人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚を若々しく毛髪をすこやかに保つものである。美容を目的とするもので、作用が緩和でなくてはならない。
一方、医薬部外品は医薬品と化粧品の間に位置するものといえる。予防効果を謳ったり、医薬品よりは緩和だが人体に何らかの改善効果をもたらすものがこれに含まれる。医薬品医療機器等法で医薬部外品と表示するように決まっているものとしては、パーマ液、入浴剤、薬用化粧品などがある。この場合は主剤(薬剤)の配合量などについても規制されている。
医薬部薬品は許可までに確かな基準をクリアしなければならないし、また市販後でも不都合なことがあれば、しっかりした調査や速やかな回収システムが整っていなければならない。
しかし、医薬部外品の概念は日本を含む一部の国にのみあり、多くの地域にはこのような概念がない。そのこともあり消費者が化粧品と医薬部外品を区別できないことがある。
薬用化粧品や医薬部外品は緩和であるものの「効果」を標榜することができるため、副作用が出てこないとは限らない。医薬部外品を使用した消費者の不幸な事例もこのことと大きく関係する。
【自然化粧品は肌にやさしいのか】
自然化粧品の定義は難しく、一般的には天然物(特に植物成分)を配合している化粧品を指すことが多い。
人工➡石油➡合成➡危険(刺激)といった連想から、自然化粧品といえば皮膚に優しく、安全、安心と結論付けることがある。また、一部メディアでは保存剤や界面活性剤などが危険であるとし自然化粧品をめでる働きがある。
化粧品の安全性は食品とほぼ同様に考えることができる。
1週間前に自宅でつくった調理品を冷蔵庫にしまいもせず食べる人はいない。しかし1週間前に使い始めた化粧品を捨てる人はいない。これは化粧品には保存剤が含まれているので安全に使用できるためである。
このように自然からとったものだけでつくった化粧品を長期使い続けるのは、数日前に自宅でつくった調理品を冷蔵庫にしまいもぜず食べるに等しい行為といえる。
床に落ちた食品は食べないほうがよいといわれている。床には細菌が存在している可能性があり、この場合、食品中で細菌が増殖するからである。細菌が増えた食品は当然のことながら危険である。化粧品にふれる指は床よりもはるかに多くの細菌の存在が認められる。広口瓶などに入ったクリーム剤は、指先を入れて使用するものとして考えられており、細菌が混入しやすいといえる。
防腐剤にはアレルギー反応を起こしやすい成分が多いというリスクがあるが、入れないことより製品の微生物汚染や腐敗による肌トラブルが発生するリスクの方が大きく、一般の化粧品には必要最少限の防腐剤が使用されている。
合成➡危険、自然➡安全ではなく、問題は何が含まれ、その安全性がきちんと確認されているかが重要になる。
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