美しさのまとい方　不妊

女性の社会進出に伴い、結婚年齢・出産年齢が上昇している。35歳以上の妊娠が高齢出産と定義されているが、妊孕力は、33歳から下がり始めるといわれている。

妊娠を、もしくは妊娠に備えて体調を整えたいと多くの女性は願うが、高齢出産を希望する場合が多い。

後天的な不妊原因の大部分には生活習慣が関与していることは、医学的に示されている。

米国生殖医学会で揚げられている不妊予防の目標は、①体重異常（肥満とやせ）、②喫煙習慣、③性感染症（STD）、④加齢（晩婚晩産）の4項を改善することにある。これらの4項目は、生活習慣がいかに生殖機能に影響を与えるかを表している。

冷え症は不妊と深く関わっている場合が多い。この冷え症が心身の不調を引き起こし、結果として不妊症の原因になっていること場合も少なくない。特に女性においては、冷えによって月経不順や月経困難症が起こりやすくなる。

【治療】

＜体質虚弱タイプ＞

胃腸虚弱、栄養不良などでエネルギー不足、機能低下を示すと妊娠し難い。

♦四君子湯（しくんしとう）

顔色が白い、食欲不振、嘔吐、胃腸虚弱、胃内停水音、慢性胃炎、胃のもたれ、腹部軟弱、腹鳴、下痢、全身倦怠感

♦十全大補湯（じゅうぜんだいほとう）

顔色が青白い、食欲不振、疲労倦怠感、寝汗、手足の冷え、貧血

＜栄養不足タイプ＞

不規則な生活などで体が養われず、子宮の発育と機能が障害される。

♦四物湯（しもつとう）

皮膚のつやが悪い、皮膚枯燥、月経不順、性器出血、冷え症、しもやけ、貧血、ホルモンバランスの乱れ

♦当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）

顔色が白く湿潤、頭重、めまい、動悸、胃内停水音、月経不順、月経困難、慢性胃炎、むくみ、筋肉軟弱、疲労しやすい、腰脚の冷え、習慣性流産

♦当帰四逆加呉茱萸生姜湯（とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう）

頭痛、下腹部痛、腰痛、月経不順、月経痛、しもやけ、四肢末端の冷感、顕著な冷え症、血行障害

＜血行不良タイプ＞

血液の流通が阻害されると、子宮内に熱と水分を生じるので妊娠しにくくなる。

♦桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）

赤ら顔、頭痛、肩こり、腰痛、打撲症、下腹部圧痛、月経不順、月経困難、子宮並びにその付属器の炎症、痔疾患、冷えのぼせ

♦温経湯（うんけいとう）

口唇乾燥、腹部軟弱、下腹部不快感、月経不順、月経困難、性器出血、手足のほてり、湿疹、しもやけ、不眠、神経症、貧血

＜ストレスタイプ＞

心身のバランスが崩れると月経不順や月経困難症、冷えが起こりやすくなり不妊を示す。

♦大柴胡湯（だいさいことう）

皮膚が浅黒い、のぼせ、耳鳴り、肩こり、食欲不振、胸脇苦満、上腹部の張り、便秘、肝機能障害、高血圧症、ノイローゼ、不眠症、筋肉質、肥満症

♦加味逍遙散（かみしょうようさん）

肩こり、軽度の胸脇苦満、軽度の腹部圧痛、月経不順、月経困難、ホルモンバランスの乱れ、精神不安、便秘、疲労しやすい、冷えのぼせ交錯

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