美しさのまとい方 湿疹

【疾患の概念】

湿疹とは臨床症状より診断した病名であり、病理学的変化に重点をおいて診断すると皮膚炎である。皮膚炎のうちアレルギー素因が強く示唆されるものは、通常アトピー性皮膚炎と診断している。


慢性の皮疹を湿疹と診断する場合は、下記の三つの要素がそろったものとする。

①かゆい所をかく(掻痒)

②小さなブツブツ(小丘疹)、小さな水ぶくれ(小水疱)、膿が溜まる(小膿疱)、皮が剥けてカサカサする(鱗屑)など皮膚上の小さい点状状態

③皮疹の局面の中に赤み(紅斑)、ブツブツ(丘疹)、膿が溜まる(膿疱)、患部から出た膿汁や滲出液が固まって皮膚の表面に付着(結痂)などが混在し、また時期により変化する。



【東洋医学からみた湿疹】

東洋医学では湿疹に因るものは季節や気候、あるいは生活環境による外的要因、ストレスや緊張などに因って生じる身症的なもの、あるいは飲食の不摂生、刺激性食品、アルコールなどに因って生じると考えている。


<紅斑>

主に自然界の気候変化のひとつである風の異常が身体に侵入することによってひき起こされる。病理学的所見は真皮の血管拡張である。

冷え症の人では夏期は軽快して冬期や冷房の下では増悪する。熱がこもりやすい人ではその逆となる。


※自然界の気候変化には風・寒・暑・湿・燥・火(熱)に分けられる。風は気圧変や気象変化、空気の流動のこと。寒は気温の下降のこと。暑は高温多湿のこと。湿は湿度の上昇のこと。燥は乾燥のこと。火(熱)は極端な気温上昇のことを指す。


<丘疹>

風邪に湿邪が加わるものである。外からの湿邪が強いとき、あるいは体質的にむくみやすい者では丘疹からさらに進んで小水疱をきたしやすい。病理学的所見では紅斑の時期よりやや深いところに入り込んでいる。


<小水疱>

皮膚が風邪と熱邪を感受し、さらに湿邪が結合して生じたものである。病理学的所見では海綿状態(表皮細胞間浮腫)がさらに進行している。湿邪は主に体内の水分代謝低下で生じ、その原因は飲食の不摂生、発汗不足及び排尿困難等である。


<膿疱>

風邪、湿邪、熱邪により局所の血管拡張と充血がおこり、続いて血流が擬滞し化膿したものである。白血球の浸潤が著明である。膿疱は感染もあるが、非感染性のものもある。



【手湿疹と体内の関係】

手が荒れる背景には、目には見えない体内の反応が現れると東洋医学は考えている。


<親指>

この指が荒れやすい者は、呼吸器系が脆弱している。乾燥すると鼻の粘膜が傷つきやすかったり、咳が出たりなる。カゼをひきやすい。


<人差し指>

大腸に熱がこもり、その影響で人差し指に湿疹が生じる。症状としては便秘や下痢、肌荒れなどがみられる。


<中指>

湿疹に加えて、心臓に症状が発生する。胸が苦しくなったり、痛くなる。手の真ん中が火照るという症状がある場合は注意が必要である。


<薬指>

薬指に湿疹が生じる場合は、器官や組織の機能低下、水分とリンパ系の停滞などが複雑に絡んでいる。むくみ、重だるさ、やる気が出ないなどの心身の症状があらわれる。


<小指>

小指の親指側に湿疹の反応が生じるときは、ストレスの長期化、全身の血行不良が原因である。

小指の外側の場合には、緊張やストレスで肩と肩甲骨周りが凝り固まることに因って湿疹が引き起こされる。




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